【紹介】「ひとりぼっちの地球侵略」は1話だけだと魅力が伝わりきれない

 

 小藤です。初めてちゃんとした作品の感想・紹介記事を作成するにあたり、とんでもなく緊張しています。ついでに莫大な時間もかかっております。普段イラストを描く人間が慣れないことをするとこうなります。これも人生の糧となれば万々歳なのでしょうか。

 

 今回紹介させて頂く作品は、「ひとりぼっちの地球侵略」です。ゲッサンに連載されており、現在8巻まで既刊されております。作者は「とある飛行士への追憶」のコミカライズや「魚の見る夢」を描いた小川麻衣子先生です。

 とても乱暴に紹介すると「地球を守るために地球を侵略する、心臓で結ばれた宇宙人と地球人のSFボーイミーツガール学校バトル少年漫画」になります。しかし、掲載誌が少年誌なだけで、実際は絵柄や空気感などからして少女漫画の方が近いです。

 まず、この記事の続きを読む前に、(9月現在)1話丸ごと試し読みが出来るので、そちらを読んでから進んだ方がいいです(途中から1話を読んだ前提で話を進めるので)。

csbs.shogakukan.co.jp

 

この作品の魅力的な部分

 まずは絵です。表紙の絵の綺麗さから購入した人も少なくないでしょう。

 約5等身にデフォルメされた可愛らしい絵から繰り出される戦闘シーンはふわっとした爽快感があります。その一方、敵は中々に気味の悪いデザインをしております。宇宙人特有の異質さを表すためでしょう。でも慣れるとちょっと可愛らしくもあります。多分ですが。その辺は正直自分の感覚と世間の感覚とがあってるかは謎なので……

 よく雰囲気が良い、という意見を聞きますが、これはやはり実際に読んだ方が早いですね。ここも自分の感覚と(以下略)

 また、物語が進むに連れて魅力的な女の子が続々と登場します。

 黒(紫)髪ショートぱっつん自由奔放で主人公の広瀬くん以外の地球人にあまり関心がない肉弾戦担当メインヒロイン・大鳥先輩!

 金髪碧眼貧乳プライド高しなお嬢様で宇宙人のクォーターで異能持ちの参謀担当ツンデレ・アイラさん!

 大人しめな委員長系丸メガネっ子な地球人代表・古賀ちゃん!

 大鳥先輩を小さくしたようなフリフリの服を着る謎の腹黒ちみっこ!

 正直最初はとっつきづらいキャラばかりですが、読み進めていく内にみんな可愛く見えてきす。あと、可愛いと言ったら白いネコのような宇宙人・リコも外せません。マスコット的可愛さ。2巻から(4巻を除いて)裏表紙に登場しています。6巻なら表表紙にもいるのでAmazonからも確認することも出来ます。すごいもふもふしてます。

 そして、病気がちな広瀬くんの双子の兄・凪の存在も欠かせません。彼の存在が物語を大きく動かします。

 また、服装や髪形の変化が細かいのもポイントと言えます。行事によって異なる作品は多いです。しかし、ふとした場面で変えることによって、キャラの性格を示しています。大鳥先輩は1巻から制服を2回も変化させています(着崩しも含め)。ただこの制服そのもののバリエーションは2巻で打ち止めになっています。アイラさんや古賀ちゃんは髪型が変わり、特にアイラさんはかなり多くのパターンを用意してあります。それについては5巻を隅々まで見れば納得するでしょう。隅々!

 

 

 何故試し読みだけだと駄目なのか?

 タイトルの回収です。ここからはネタバレになるので、1話を読んだ方のみお進み下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1話はどうでしたでしょうか? 続きを読みたい! となった人は話半分でも大丈夫です。

 結論を先に述べると、「うーん……?」となる人がいると思います。

 前に、ぼっち侵略が試し読みできる! と聞いた時に舞い上がって先ほどのページを友人に薦めたのですが、その方は「あまり惹かれない……」という感想を漏らしました。当時は単純に合わない作品なのか、としょぼくれながらもスルーしましたが、今回この記事を書くにあたって全巻読み直したところ、その理由の1つに気が付きました。

 メインヒロインである大鳥先輩の内面が、1話だけだとかなり伝わりづらいのです。

 彼女は「この段階では」非常に自由奔放で我が儘な宇宙人です。もちろんそれが大鳥先輩の魅力なのですが、「我が儘」がキャラの魅力となるためには、その動機が重要です。理由は分からないが我が儘を言っている女の子と、淋しいから甘えたくて我が儘を言っている女の子とでは、後者の方がより魅力的に感じると思います。

 ですが、1話時点では「地球を守るために侵略するよ! 広瀬君は私の心臓を持ってるから仲間だよ! 他の宇宙人から君を守ってあげるから協力して!」と、動機が不鮮明なまま目的と結論を語っているため、底が見えずよく分からないキャラクターとなっているのです。底が見えない方が良いキャラもたくさんいますが。 一応「10年前に死にかけていた広瀬君を助けた」「二人で一緒にこの星を征服しましょう!」などの情報から推察することは出来ますが、それでも情報が少なすぎます。

 これは2話を読めばある程度解決します。 というのも、どうもエピソードとしては2話までで一区切りついているので、裏を返せば1話のみだと情報不足になってしまっているのです。

 だから、試し読みだけでは紹介するにあたって難しいのです。

 とりあえず試し読みの範囲を2話まで広げてください! それでここで大鳥先輩の動機がある程度分かったり広瀬君と大鳥先輩の関係が出来上がったりして解決しますから!!

 この作品の見どころの一つに大鳥先輩が可愛いことが挙げられるので、彼女の内面が掴めないまま読み終えてしまうのはもったいないです。

 

 

 

 

蛇足

 紹介とはこんな風にするものだっただろうか。難しい。

 他の方の紹介の仕方と被ったら申し訳ない。

 当初は紹介記事とともに考察記事も書く予定でいたが、この記事だけでもう挫折しそうになっている。この作品以外にも紹介したい作品はたくさんあるのに。

 ちなみに自分が一番好きなのは5巻。理由の一つに一番好きなキャラが出てくるのがある。ある人物の掘り下げとある人物との対比以上の活躍はしてないが、これからも出てくるのでは……と予想している。ところでアレクセイさんはいつ顔見せするのだろう。